「男脳」と「女脳」の機能を、わかりやすく面白く解説した本。
ヒューマン・コミュニケーションの権威ピーズ夫妻が、男と女のコミュニケーション方式の違いを、脳の機能的側面からわかりやすい事例をもとに解説した、世界的ベストセラー。
発売当時、日本でも若い女性を中心に爆発的にウケた1冊。
専門書的ではなく、トピックスから始まるアメリカ的な読み物風で構成されている。
一般的な空間認識能力から、ホモセクシャル、男女のセックス、結婚と愛と言ったテーマにも3割近いページをさき、データを紹介しながら面白く解説しているのもアメリカ的かもしれない。
著者は最後に、「男と女はこんなにかけ離れているにもかかわらず、その関係はうまくいっている。それは人間関係を円滑にして、家族をまとめあげる能力を持つ女に負うところが大きい。」「もし各国の指導者が女なら、それだけで世界は平和になるはずだ」と述べている。
脳の大きさからいえば、男性の方が大きいが、左脳と右脳をつないでいる「脳梁」は、女性の方が2割ほど太いため、左右の脳の連絡が良く、いろいろな事が器用にこなせる。
男性の場合、感情の中心が右脳にあって左右の脳をつなぐ脳梁も細く、感情は脳の他の働きには影響を受けずにある程度独立して機能することができるので、例えば口げんかをしている時でも感情を押さえて理詰めで相手を押さえ込む事ができる。
一方、女性の感情は、左右の脳に広く分布していて、脳梁が太いのでほかの機能とも連動しやすい。だから議論の時も感情的になりやすい。
一対一のコミュニケーションでは、メッセージの約6〜7割が非言語コミュニケーションが占めていると言われる。声色は2〜3割で、言葉はわずか1割程度にすぎない。
このコミュニケーション情報を、女性は生まれながらの優れた感性で分析する。脳梁が太いので左脳と右脳のあいだで情報をすばやくやり取りでき、言葉や視覚、その他の信号を統合し解釈するすべに長けている。
それゆえ、男性のチョットした変化や嘘やごまかしの表情を見抜くことができる。
参考文献