人の胎児期において、この1回限りの発達過程に環境ホルモン等の有害物質により悪影響を受けると、リカバリーできない。
人は、胎内で人類が進化してきた過程を歩む。1つの受精卵の細胞から分裂がはじまり、ゾウリムシ・魚系の胎芽期から、両生類・爬虫類系の形態を経て、哺乳類・人間としての胎児として形態が完成し、出産を迎える。
その成長の1つ1つは、人間の生命体としてあらかじめプログラムされており、1回限りの現象である。
その過程の中でもとくに、ある特定の有害物質やストレス等の影響を受ける時期があり、これが臨界期となる。
例えば、同じ有害物質の影響でも妊娠1〜3週位ならば流産となってしまい、4〜8週位まで成長したあとでは、手足の元を作る重要な期間に影響を受けてしまうので将来手足の奇形を持つ子となります。しかし、妊娠後期ともなればそれほど影響は受けません。
サリドマイド児は、とくに上肢が形成されないアザラシ状奇形として社会的に問題となりましたが、これは、妊娠初期にサリドマイドという睡眠薬を服用したことが原因としてあげられます。
参考文献