ウソをつくので心配です|幼児教育・幼児教材の「まいとプロジェクト」

ウソをつくので心配です

ウソをつくので心配です

長男と次男がいます。
次男の方が最近、ウソをつくので心配です。
(男児・3才5ヶ月)

回答

回答します
「記憶」という観点から考えてみると、この時期は確かに、記憶の整理が出来ず、時制の一致もままなりません。記憶のメカニズムは、様々な情報をインプットし、その情報を保存し、必要なときに再生する総合的な力です。 記憶の中には、感覚的な記憶(瞬時)・短期的な記憶(数分)・近時的な記憶(数日)・長期的な記憶(数ヶ月~)があります。

3歳児では、近時的な記憶までが可能であり、4歳児になると、長期的な記憶が可能になります。但し、あくまでも環境によっての個人差はありますが・・・。

よく、3才~4才位の子どもに『朝何を食べてきたの?』や『夏休み何処に行ったの?』と、教室でもインタビューをしますが、確実に正しく答える子どもはあまりいません。昨日食べたものだったり、食べたことの無い物を言ったり、友だちが食べたものや行った場所に、自分も食べたり行ったことがある!と思ってしまったり、行ったことのない場所を話したり・・・と、子どもの発言は、経験と記憶と空想と心が混ざり合って、整理が出来ないようです。
ですから、この記憶という点から考えた場合、「飛んでいたヘリコプターと、遊んでいた玩具」が、インプットされ、それに乗ったような気持ちになって、言葉にでたので、わざと嘘をいっているという事ではありませんね。

次に、「こころ」という観点から考えてみましょう。

『ヘリコプターに乗った』と話すことで、自分の話に興味を持って欲しいと思ったか、お兄さんに『すごいねぇ』と驚いてほしかったか。お兄さんは、いつも何でも出来る凄い存在です。そのお兄さんを驚かせたかった! 自慢したかった・・・。という事も考えられるでしょう。
子どもの心を観察すると、行ったことの無い場所に行った、乗ったことの無い乗り物に乗ったと話す子どもがたくさんいます。何故でしょう?
行きたい、乗りたい願望よりも、自分を見て欲しい、驚いて興味を持って欲しい、自分の話を聞いて欲しい、自分と話して欲しい、誉めて欲しい・・・といった心の表れから、乗ったこと・行ったことがあると話す場合があります。また、他の子どもが話したことに対して、大人が感心を持つと、『自分も行ったことがある・乗ったことがある!』などと話すことが多いものです。

こんな時は、『嘘つかないの!』『乗ったこと無いじゃない』などと言いがちですが、『1人で乗ってみたいの?気持ちよさそうね。お母さんも乗ってみたいなぁ』など、お子さんの空想を現実に何気なく戻してあげて、お子さんの話に付き合ってあげることも、1つの方法です。

『お父さんに叩かれた・・・。』も、実は、よくある話です。 教室でも、そのようなことを話すお子さんがいました。お母様にお聞きすると、お父さんに叱られたときは、お母さんに言いつけに来てお母さんに甘え、お母さんに叱られたときは、お父さんに・・・というパターンだそうです。それも、大げさに伝えるとおっしゃっていました。

「こころ」の面で考えてみましょう。

子どもは、大人の反応をとても良く見ています。お子さんが言ったときの、表情や視線を観察してみて下さい。また、この時、ご両親がとっている行動・表情・叱り方を第三者的に捉え、考えてみて下さい。
例えば、お父さんが叱ったときに、お母さんに慰められた場合・・・その行動は脳に記憶され、次ぎに同じ事が起こった時に、前回と同じ行動に出ます。伝え方が大げさであればあるほど、もっと慰めてもらえると思ったり、回数を繰り返す中で、脳が学習をしていきます。

また、何故叱られたのかという理由が理解出来ていない場合でも、似たようなことが起こります。
お父さんっ子であるのなら、大げさにお母さんに伝えることで、お父さんの気を引きたかったり、反対に、お母さんに甘えたい、自分に注目して欲しい、自分を認めて欲しい、かばって欲しいと思っての行動だったりします。
こんな時は、『お母さんは、お父さんは優しいから、してないと思うわよ。』と、話してあげながら、『どうして、叱られたのか?』ということを、お子さんと話し合えるとよいですね。

子どもは叱られた場合、『嫌だ、怖い、どうして叱られるのか解らない、その場から逃げたい、誰かに訴えて解って欲しい』と必死で考えます。
その結果、大声で泣く・物にあたる・叱ってない人の側に行く・言い訳の仕方を考える、等々、この時期、たくさんの知恵を出して、方法を考えます。
更に、動物的な防衛本能で、自分の味方を探します。

また、1才~5才位までは、どうして叱られるのかの理由さえ解っていなかったりもしますので、お子さんが理解のできる話し方も必要になります。
何故、嘘をつくのかを、幼い子どもに原因や事情や理由を求めてはいけません。
我が子の「こころ」のありかを是非探ってみて下さい。

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