第2回 幼児教育における「臨界期」って何?(後編)|幼児教育・幼児教材の「まいとプロジェクト」

第2回 幼児教育における「臨界期」って何?(後編)

はじめに  幼児教育の要(かなめ) 適切な幼児教育環境と臨界期

(前回では、人類と他の動物との圧倒的な違いが脳であること、その脳にはあるメカニズムが在ることをお話ししました。さて、今回のこのコーナーでは、そのメカニズムの要の臨界期について詳しくお話しします。)

前回「幼児教育における臨界期って何?」(前編)を見る

人類は、なぜ未熟な脳のままで出産し、その後6年間で爆発的に成長するのでしょう? (脳以外の身体は緩やかに成長するのに。。。)
答えは、私たち人間には、「幼児教育」が必要であるということです。この短期間に巨大化していく脳に、適切な教育(環境)を与えることで知性を構築していくということです。 なかには、「幼児教育はいらない」、「普通に育てれば普通に育つ、後はその子次第」という道を選択する養育者もいることでしょう。
しかし、私達(少なくともこの「子どもの幸せ方程式」対談を読んでいる読者)は、そうは思いません。優れた幼児教育は、その子の才能を開花させ、その子の将来に役立つ!

これが、「臨界期(感受性期)」の考えです。子どもの脳のメカニズムです。
臨界期とは、人間の脳は、その能力を学習できる適切な時期があり、それを逃すといくら努力しても限界があるという考え方です。この臨界期は、視覚とか聴覚などの比較的単純で基本的な知性において最も顕著にあらわれます。(社会的知性とか感情的知性と言ったより高度なものは、大人になってからその人の思想とか行動に現れてくるので解りつらい。)

臨界期の話しの時で、最も分かりやすいので、よく取り上げられるのが、言語の臨界期です。
言語の臨界期は一般的に9才までと言われています。普通の家庭では、当たり前のように母国語で赤ちゃんは語りかけられ、周りには母国語が飛び交ってます。脳のメカニズムでは、その意味が解るor解らないと言うことはそれほど重要ではありません。重要なのは、母国語が環境としてあれば、その子の脳はその母国語に対応した言語的知性を作り上げていくということです。(パソコンならwindowsとかMac OSにフォーマットされるという感じです。)
ですから、普通の環境で育った子どもは、少なくとも言語的知性に関しては、とくに何もしなくてもその国の母国語を理解し話せるようになります。

次に、海外や学校に行って外国語を勉強した場合はどうでしょう?
ここで重要なのは「いつ」外国語を勉強したかです。日本の場合は中学校から英語を勉強しますが、一生懸命に勉強すれば外国人並に外国語を理解し、話すことができるようになります。さらに英会話教室に通ったり、海外で生活するなどして、英語がペラペラに話せるようになるかもしれません。が、それは残念ながらネイティブではありません。一方、親の転勤とかで幼児期に海外生活を余儀なくされた子は、ネイティブに英語を話せるようになります。日本語もネイティブに話せます。
つまり、言語的知性は臨界期にネイティブ言語の環境がまわりに無いと育たないので、真のバイリンガルになるのは難しいということです。

これは、脳のメカニズムとして言語的知性をつかさどる部分が「日本語用」のみ、「英語用」のみ、さらには「日本・英語用両方」のようにフォーマットされてしまうからです。ですから、一度フォーマットされてしまうとなかなか違うフォーマットのモノを使いこなすのは難しいわけです。

また、日本のように島国で単一民族の場合は、言語の環境が日本語に限られてくるので、特に他の言語を習得するのは難しいと言われています。その逆に、スイスやシンガポールといった、複数の言語が日常的に使用されている国などは、「母国語用」、「英語用」、「フランス語用」、「ドイツ語用」などのフォーマットが多重して形成されるので、言語に強い民族となるわけです。
このように、臨界期における環境はとても重要です。

では、この臨界期に不幸にも何も環境(教育)が与えられなかった場合はどうなるのか?
言語的知性のケースとして有名なのが、前回の対談のなかにもあった「オオカミ少女カマラ」の例です。
幼児期の言語の臨界期にオオカミに育てられたカマラは、オオカミ言語用に脳の言語的知性をつかさどる部分がフォーマットされてしまったので、その後、いくら人間用に再フォーマットしようと教育してもネイティブにならなかったということです。
ただし、たどたどしく話すことが出来るようにはなりました。ここで重要なのは、人間はたとえ臨界期を逃しても、教育によりある程度までは伸ばすことは出来ます、ただし、限界があると言うことです。
この言語の例のように、オオカミ少女のような特殊なケースは滅多になく、普通の人は当たり前に育てられ当たり前に話せるようになるので、臨界期についてあまり重要視されることがありませんでした。

しかし、「言語以外の知性」の場合はどうでしょう?
結論から言うと、臨界期をはずした幼児教育はリカバリーが難しいのが現状です。
言語以外にも視覚や聴覚といった端的な例は理解しやすいが、他のより高度な知性についても、言語的知性のように言葉が話せないといった極端な現象とならないため分かりづらいのですが、同じように臨界期があります。
昨今の、「キレる子供」、「いじめ」、「殺人を犯す子供」、さらには「幼児虐待する親」等々、もこの臨界期における適切な環境(教育)が無かったことが一因にあげれます。
音楽的知性なら、とくに教育をしなくても生きていく上ではそれほど重要でないかもしれません。カラオケに行って音をはずして笑われる程度です。ただ、一流のバイオリニストや作曲家にはなれないでしょう。絶対音感が臨界期で形成されなかったからです。
同じように、社会的知性や感情的知性も臨界期に適切な教育が無かったとしても、事件さえ起こさなければ、他人に迷惑をかけなければ、生きていく上ではよいのかもしれません。ただ、会社のリーダーとか集団のリーダーにはなれないでしょう。

さて、この臨界期の話しはややもすると、超早期型英才教育、詰め込み教育等の奨励を連想されるかもしれません。
しかし、それと適切な幼児教育とは違う、「まいとプロジェクト」が進める才能開花プロジェクトとは違う、ということを最後に申し上げたい。
子どもが全く興味をもたないことに対する押しつけ教育や過多の詰め込み教育は、知性を伸ばすどころか逆効果にもなりかねません。この、子どもの興味を見つけ出し育てることが幼児教育では重要なポイントとなるわけです。(ただし、これには親の価値観によるものが大きく関係してきます。例えば、モーツアルトの父親のように音楽家の家庭に生まれた子が、親の夢や価値観で早期から音楽的知性のみを教育すれば、他の知性を圧倒して伸びることになり将来が期待されますが、必然的に他の知性は凡庸となるので、その子が音楽家として大成できれば良いですが、音楽家になりたくないとかなれなかった場合などは、厳しい選択となります。)
このように、臨界期における適切な環境(教育)はとても重要です。

ただし、これには1つ問題があります。
子どもは成長し、将来自分の夢を実現させようと努力しますが、その元となる知性(脳)は自分だけでは作り上げることが出来ない、それは、適切な環境(教育)を与えることができる親次第ということです。
せっかく、赤ん坊が自発的に知性を伸ばそうとしても、それに適切な環境がなければ伸びるはずもありません。

(今回のテーマ、「臨界期(感受性期)」について、この解説のコーナーは以上です。臨界期に重要な幼児教育環境や子どもの脳のメカニズムを理解していただけましたか?)

さて、前回同様に引き続き、るりる〜先生と吉木先生とで「幼児教育における臨界期って何?」について対談を進めていただきたいと思います。

第2回 幼児教育における「臨界期」って何?(後編)

宮本みきお

生まれてからわずか1ヶ月以内でこんな風に赤ちゃんは成長していくんですね! 生まれた当初は本能的には他の下等動物より劣るヒトが、一気に挽回して成長していくようですね。その後は、どんな劇的な変化があるのでしょう?

佐藤るり子先生

生後1ヶ月あたりからの赤ちゃんの脳の変化もビックリするほどです。

生後1ヶ月
母親と見知らぬ女性の顔を見分けることができるようになります。母親の方を頻繁に目で追うようになります。そして、人の顔を見つめ、豊かな表情をする「3ヶ月微笑」へと移行していきます。しかし、これは母親や周囲の人からのスキンシップや語りかけがあってこその反応です。この事はとても大切なことです。是非、たくさんの愛情をもって話しかけてくださいね。

6ヶ月
脳の大きさも爆発的に成長していきます。この頃から、音や視覚情報をつかさどる脳の領域が、臨界期に入ると言われています。音のみではなく、色々な物を区別/分類する能力も同時に発達していきます。口の中に入れて、食べられるもの/食べられないもの、堅い物/柔らかい物、口の中に入る大きさ/入らない大きさ、手で握れる物/握れない物、等々を行動から認識していくようになります。さらに、様々な人間関係や物とのふれあいを通して、体験学習・模倣学習をしていきます。音感や運動、言語、等の大切な知性の発達へと入っていきます。

9ヶ月
自分にとっては無駄で、生きていく上で、必要なし! と判断した情報に対する能力が衰えていきます。脳の中では、刺激をされなかった回路が消されていくわけです。ですから、脳に「必要!消されては困る!」という事を教えてあげる為の刺激が大切な時期です。教室ではたくさん指先を刺激するようにアドバイスをします。指先は「第2の出ている脳」とも言われています。
この時期はシナプスの増減に関わる大切な時期です。指先をつかうことが直接脳を刺激することにもなります。摘む/握るなどの行動ができる玩具を意識して与えていくこと、様々な音の出る玩具を与えることなどで、シナプスの神経回路の通りを良くすることができます。運動では、股関節を強くし、背筋やうでの筋肉を意識して使うための、「ハイハイ」がたくさん出来る活動を意識して取り入れていきます。空間認識を意識してのトンネルの中をハイハイして通る、跳び箱一段位の山をハイハイで登っておりる、瞬発力や行動力を意識してのボールを追いかける、マットに座らせマットを緩やかに動かし、移動での空間認識力や身体のバランスを取り転がらないように踏ん張る力など、臨界期を意識した活動をたくさん授業の中で取り入れていきます。また、自己意識が始まる時期に入りますから、自分の名前を呼ばれたことが分かるという認識、模倣行動から、返事をするという動作も覚えていきます。

宮本みきお

生後1年で脳の大きさは2倍にまでなると言われていますが、このような劇的な脳内の変化があるわけですね。そして、そろそろ成長した赤ちゃんがヒトとしての知性を構築していくわけですが、どの様に成長していくのでしょう?

佐藤るり子先生

未熟なままで生まれた脳が、いよいよ人間としての本領を発揮出来るように脳の回路もどんどん整備されていき、色々な機能の臨界期も既に開始されています。

1歳
掴まり立ちから、よちよち歩きが始まります。好奇心一杯で、視覚に入る物を何でも触りたがります。バランスをとって、歩けるようになってきます。ハイハイは、股関節を強くしますし、バランス感覚も育っていきます。最近は、あまりハイハイをせずに、つかまり立ちをする子どもが増えてきていますが、それは居住スペースが狭くなってきた事も影響していると言われています。言語的には、1語での発話が出来るようになってきます。

1歳半
幼い自我が生じてきて、「イヤ!」と頭を振る動作がみられるようになるのもこの時期です。この時期に、我慢をさせることをあまりにも強要すると、人に指示されることに対しては動けるが、自分で考えて判断し、行動に移す子どもには育ちにくいので、養育者の言葉のかけ方に注意を払わなければいけません。情動(EQ)の発達として、臨界期のスタートは生後10ヶ月〜18ヶ月と言われており、この期間に赤ちゃんと共に喜びに対して応じていると、前向きな情動の回路が増強されます。逆に、絶えず苛立ちや恐怖で応じていると、前向きな回路が閉鎖されてしまい恐怖が増したりと後ろ向きな情動の回路が増強されてしまいます。

前回のEQでの対談でも一例を挙げましたが、無表情で、その場から動こうとしない赤ちゃんは、本当に環境の与え方次第で、このように育ってしまったのです。また、外国語を始めるならこの頃からでも全く問題がありません。決して早すぎると言うことはありません。聴覚神経の刺激の伝達も良くなっているので、言語的知性に関する臨界期は始まっているわけです。

宮本みきお

ヒトの場合、とくに生まれてから1年未満の0歳児、その後の1年を迎える1歳児における環境の与え方がとても大切だと言うことで、るりる〜先生にちょっと詳しく説明をしてもらいました。さらにその後の成長についてもご説明願いたいと思います。

佐藤るり子先生

子どもの脳の大きさは小学校に入学する頃には、ほとんど大人並みの大きさにまでなります。ですから、この期間に各知性をまんべんなく発達させるために適切な教育を与えてあげなくてはなりません。

2歳
個人差はあるのですが、この頃から言葉の獲得(ボキャブラリー)が増えてくる時期です。
「食べ物・動物・家族・友だち・行為・道具・・・など」の基本的な分野での一語〜二語〜三語文、擬声語・擬態語での『ワンワン・ザーザー・トントン・ブーブー・・・など』そして形容詞・副詞・代名詞などの言葉が獲得されていきます。男児よりも女児の方が言葉の獲得が早く、これは女性ホルモンと男性ホルモンの関係が、言語の発達に影響している為だと言われています。脳内では、あらゆる領域でのシナプスが完成し始めており、様々な良い刺激が入ってくるのを、待ち望んでいる時期でもあります。前回でも述べましたが、大切なのは神経細胞の結びつきのネットワークなので、子どもを育てると言うことは、即ち「脳」を育てると言っても過言ではありません。
この時期には、社会性の発達にも欠かせない時期に入り、教室では、「どうぞ」「ありがとう」「いっしょにね」などの言語を集団の中でたくさん使っていくことを、養育者に意識して欲しいとアドバイスしていきます。自分以外の人間との関わり方・コミュニケーションの取り方を学んでいく大切な時期です。この時期に、社会性の言葉を使う大切さを知っていき、思いやりの気持ちを育てていくことで、人間関係を学んでいきます。人の痛みを知る、物の取り扱い方を知る意味でも、大切な臨界期です。指先は引き続き大切な部分ですから、道具を使うことを知らせていくのはこの時期です。ハサミ・糊・セロテープ・クレヨンなどの経験をさせて脳を刺激していきます。
運動では、空間認識力としての平均台を渡る、跳び箱からジャンプ、腕の力を意識しての鉄棒のぶら下がり、身体リズムでのグーパーの足の開閉、リトミックなどでの身体リズムの取り方を意識して取り入れていきます。
音感では絶対音感を刺激していく時期です。音楽家を目指させるのであれば専門的なメソッド教室に通うのも良いでしょう。
数学的な刺激での臨界期も始まっています。数学的な知性が育つには、積み木がベストと言われており、立体構成力が重要です。教室で観察をしていると、女の子に比べ男の子の方が積み木遊びを好むことが多いようです。積み木でなくてもブロックや立体にして遊ぶ遊びを好むのは男の子の方が多く、女の子はどちらかというと、現実的なおままごと遊びやお人形さんごっこに発展していくことが多いようです。将来的に見たとき、男の子の得意分野、女の子の得意分野が違ってくるのも、この頃の遊びの中での習得の違いが、多少なりとも関わっているようです。

3歳

脳の重さも産まれたときの3倍にもなり、「スキャモンの成長曲線」でみると、神経細胞の伝達するシナプスの発達が80パーセントと言われている時期です。脳の成熟度のプロセスから見て、3歳頃までの環境作りが最も大切な時期であると言われています。「三つ子の魂百までも」ということわざもここから来ているのかも知れませんね。

3歳では個人差はありますが、第一次反抗期を過ぎた頃になるでしょうか。他人を意識するようになり、羞恥心が急激に発達するのもこの時期です。今まで平気で人前で踊ったり、しゃべったりしていた我が子が、急に母親の後ろに隠れるようになったり、うつむいたり・・・。自分と他人との区別がはっきりと出来るようになったからです。また、自分の持ち物を他人に貸せるようになってくるのもこの時期ぐらいからです。しかし、この様な事が出来るようになるには、適切な環境が与えられなければ、脳は獲得できないのです。子どもの成長にとって大切な社会性の言葉、喧嘩、仲直り、譲る、貰う、我慢、思いやる、、、これは、今後の成長に大きな影響を及ぼします。獲得する時期を誤ると、コミュニケーションの取り方を知らずに大人になることになります。
登校拒否、いじめ、校内暴力、犯罪、等々、適切な時期に適切な両親の環境作りや援助や指導が与えられなかったことも大きく影響していると言っても過言では無いでしょう。

4歳
友だちとの触れ合いや人間関係でのぶつかり合いを通して、社会的な脳の領域も益々成長をしていきます。2つの事が同時に出来るようになるのもこの頃からで、両手で違う動作をする事、役割分担をすること、相手の求めていることが理解出来るようになり、納得して挑戦すること、協力する事、相談することなどが出来るようになってきます。
自分で出来る事が増えてきて、プライドも育ってきます。この時期は、失敗しても、否定をせずに見守ること、失敗は次へのステップになると言うことを知らせていく大切な心の成長の時期です。ご両親は、根気強く見守る姿勢が必要になってきます。

5〜6歳
脳の重さは、成人の脳とほぼ変わらない重さに成長します。神経細胞のネットワークも確立されてきます。十分な愛情を与えられて育った子どもは、自分を大切にすることも出来るし、人のために役立つ大切さも愛する気持ちも学習していきます。決して人を傷つけようと思ったり、恨んだりせずに前向きに生きようとしていきます。
教室では、あらゆる知的好奇心を育てていきます。分野では言語・数・運動・空間認識・社会性・絵画・音楽・自然・科学と興味や関心を育てていきます。その中で、その子どもの得意分野を見出していきます。どの子どももたくさんの可能性を持って産まれてきており、可能性は未知数です。幼児期は刺激の与え方で、興味や関心が大きく変化していきます。
良い脳内神経細胞のネットワークを作るには、この胎児〜6歳までの時期が計り知れないほど大切な時期であるということです。ひいては、これが臨界期教育に繋がるわけです。

宮本みきお

一気に6歳までのお話をいただきました。前回では「脳は、生前生後の6年6ヶ月で、その子どもの人生(夢)を実現するに必要な知能(知性)を形成する」と述べましたが、この6年6ヶ月は当を得ていたようです。さて、その後、つまり小学校へ進むことになりますが、どうなるのでしょう?

佐藤るり子先生

小学校へ通い始めると、すなわち義務教育で求められること、つまり日本人として必要な知性としての日本語の読み書きを中心とした教育が開始されます。読み書きを通して知識を取り入れて自分の知能を高めていくことが要求される訳です。
小学校中学年(3〜4年)の成績の良し悪しは、小学校低学年(1〜2年)までの読み書きの能力に左右されると言われており、その読み書き能力の元は5〜6歳児までにおける文字の読み書きの知識に関連します。この事は、幼児期における絵本の読書、読み聞かせの経験が大切であることを示唆しています。この経験量が、小学校入学以降での読み書き能力、話し言葉能力、読解力などに関連してくるので大切なわけです。

教室では、絵本の読み聞かせは勿論ですが、4歳くらいからお話の記憶や登場人物について、内容についてなどを子ども達と話し合う機会を多く取ること、文字に興味を持たせていくことを多く取り入れていきます。また、発表の場を多く持ち、自分の言いたいことを聞き手に伝える能力、自分の考えを道筋を立てて聞き手に表現していく能力を育てていきます。適切な環境(教育)は、お子さんの脳に、生き抜く力・神経回路ネットワークをたくさん作っていきます。子どもは、決して一人では成長が出来ません。自分を守ってくれる親やそれに値する人が現れなければ、適切な成長は出来ない、愛されているという意識は育たないということです。

この事からも、脳の発達と幼児期の発達を考えたとき、臨界期を正しく認識し、育児をしていくことが望ましく、幼児教育=早期英才教育や詰め込み教育では決して無いと言うことを正しく理解して欲しいと願っています。

宮本みきお

どうもありがとうございました。るりる〜先生も吉木先生も共に、幼児期における適切な教育(環境)の与え方、臨界期を捉えた教育について、ともに大変重要であると言う認識がよく分かりました。
EQとIQという視点から臨界期をとらえた今回の対談は、大変興味深いものとなると思います。次回もよろしくお願い致します。

次回は、今回の臨界期を踏まえた適切な幼児教育に関してのより具体的な対談をしていただく予定です。

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対談者プロフィール

吉木稔朗先生

吉木稔朗先生

神奈川大学法学部法律学科卒。早期教育の友人の死を契機に研究を引き継ぎ、現在、ヨシキ幼児教育研究所主催。主たる著書に「IQ200天才児は母親しだい!」「母親だからできる驚異の天才教育」「天才児を育てた24人の母親」などがある。

佐藤るり子先生

佐藤るり子先生

幼児教育学部卒。幼児教育学部専攻科修了。
首都圏の私立幼稚園教諭を経て、大手民間の幼児教育事業部において講師及び教室長を担当。首都圏エリアの運営及び講師育成並びに教育プログラム開発等を手掛ける。現在、幼児才能開発プロジェクト「まいと」専任講師。

宮本みきお

宮本みきお

立教大学経済学部経営学科卒。経営コンサルタント。大手民間の人材バンク及び人材開発の企業を経て、現在、コンサルティングファームを経営。

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